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2020.08.05|岐阜提灯の豆知識

廻転行灯のはじまりといま

廻転行灯のはじまり

廻転行灯は、大内行灯の中でも人気のある行灯の1つです。
納涼感があり、暑いお盆の時期に飾ると涼しい気分になります。

廻転行灯はいつ生まれて、現在に至るのか、少し調べてみました!!

実用新案特許の取得 〇
廻転行灯は、昭和30年にオゼキが廻転二重電気提灯と廻転二重電気スタンドとして実用新案特許を取得しました。発売と同時に画期的な「動く岐阜提灯」として高い評価を受け、たちまちヒット商品となりました。

納涼用として大ヒット
「鵜籠に鵜飼」

初期の廻転スタンド
「松に笩流し」


廻転の原理は、電球の熱による上昇気流を利用し、電球にセットした針先(ホルダー)で内側の提灯を回す単純な仕掛けでした。

当時の岐阜提灯は、岐阜の名産品としてお土産やお中元用品としての需要が多くありました。廻転提灯は開発当初から納涼用としてのスタイルを重視して作られていました。絵柄はシルエットの子供たちがホタルを追う図、熱帯魚が泳ぐもの、竹林に雀が飛ぶもの、鵜籠型の提灯の中で鵜飼船が回るものなどがありました。外火袋は手漉きの薄い美濃和紙に絵柄を摺込みしたものと、涼しい雰囲気があり内火袋の絵柄がよく見える落水紙が用いられました。

昭和40年初頭からは量産を図り、プラスチックのからし色と葡萄色の丸棒三本足スタイルが主流となりました。この頃からお盆用の桔梗や菊の絵柄が多く採用されるようになり、プラスチック製廻転大内行灯も製作されるようになりました。

昭和30年代の廻転行灯

廻転ブーム到来
昭和45年に特許期限が切れると全提灯メーカーが、廻転行灯、廻転霊前灯、廻転灯篭を一斉に発売し一大廻転ブームが起こりました。プラスチック製の奇抜なデザイン、火袋までもプラスチックにした派手な絵柄の商品が、どこの提灯売り場でも目に入る時代がしばらく続きました。

やがて高級品志向の流れが上品さを求めるようになり、廻転行灯のデザインは普通の大内行灯スタイルと絵柄をそのまま使う商品へとなっていきました。

廻転灯の進化
開発当初、回転する中筒は提灯でした。これをプラスチックのフィルムを筒にして回転させたところ、軽量で光の透過度もよく納涼感も増して好評のうち現在に至っています。

開発当初のホルダーの先端は、針金を鋭利に削ったものや蓄音機のレコード針を取り付けていましたが、昭和40年代にオゼキはノック式ボールペンの仕組みからヒントを得て、実用新案ホルダーを開発しました。

このホルダーは、電球に装着した場合に先端が出て、外れるとパイプの支柱に収納される仕組みで、安全性に優れていました。またボールペンの先端を利用してスムーズな回転を実現しました。

平成の廻転筒
平成時代になってシャンデリア球に装着できる螺旋ホルダーを開発し、大内行灯にも廻転筒を簡単に取り付けて使用できるようになりました。

螺旋ホルダー
廻転筒

簡単に取り付け可能な廻転筒

昭和30年に職人たちの手によって開発された廻転行灯は、現在「この行灯は、廻転しないの?」「廻転行灯はありませんか?」と言われるほどまでに広まっています。

現在の廻転筒は、シャンデリア球に簡単に装着できるものですので、廻転行灯として販売していない普通の大内行灯にも別売りの廻転セットをご購入いただくと、廻転行灯としてもご利用できる形へと変わります。また、一部の現代行灯の属する商品にも、廻転筒を取り付けて、廻転させることが可能です。

                          

廻転筒にご興味のある方は、ぜひお問合せください。
お持ちの行灯のサイズや形によって、装着する廻転筒の種類が変わりますので、
お問合せの際は、装着する商品の詳細を教えていただけると幸いです。
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